日本人の死亡原因の第一位は「がん」。
早期発見による手術や治療で治るケースも多々あるので、もはや不治の病ではないかもしれません。でも、がんを告知されたら、きっととても怖くて、苦しくて、悲しくなると思います。
それはやはり、「治らないかもしれない」「転移するかもしれない」「再発するかもしれない」恐怖心があるからだと思います。
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がんを告知された人の心の遍歴
エリザベス・キューブラロスという精神科医がいます。
彼女は、死の間際にいる末期患者との対話や研究において「死の受容のプロセス」を発見し、「死ぬ瞬間」という有名な本を執筆しています。
死の受容のプロセスとは
人が自分の死を受け入れるまで、こころの変化にひとつのパターンがある、と提唱しています。
第一段階 否認・隔離
医師から余命を宣告されたとき、人はまさか自分が死ぬなんて到底信じない。
第二段階 怒り
死を受け入れられず、自分以外のすべてのものに怒りをぶつける段階。家族や身近な人に暴言を吐いたり、物を投げつけたり。
第三段階 取引
なんとか死なずにすむように、取引を試みる段階。何かにすがろうとする心理状態です。
第四段階 抑うつ
うつ状になり、何もしたくない、何もできない、そんな状態に陥ります。
第五段階 受容
最終的に自分が死ぬ、ということを受け入れる段階です。この受容の段階になると怒りや抑うつは消え、遺される人たちへ自分の遺志を伝えたり、穏やかに日々を過ごせるようになります。
がんは「死の受容のプロセス」をきちんと辿る病気
がんを宣告されると、この「死の受容のプロセス」を辿ると言われています。
ステージ4で約1年~3年、ステージ5でも数か月、余命までの時間が与えられます。がんと向きあうと同時に、自分の妻や夫、子供や友人に、自分の思いを伝えたり、「本当にしたいこと」を優先的に考え実行したり、死の受容のプロセスを辿りながら、周囲へ感謝の気持ちを伝えることができるのです。
また同時に、家族も「死の受容のプロセス」を辿ります。大切な家族やパートナーが死ぬ、ということを知り、同じく否認、怒り、取引、抑うつ、受容という心の整理を行うのです。
突然死は、本人が苦しむ期間も短く闘病によるお金も時間もかかりません。でも死ぬ本人はもちろん、家族や友人など身近な人たちにとって「死の受容のプロセス」がなく突然大切な人の死をつきつけられる精神的苦痛や悲しみは計り知れません。
一番いいのは、がんに罹らず一生を全うすること
とはいえ、いちばんいいのは病気にならず、健康なこころと体で長生きして、天寿をまっとうすることです。人生の後半になれば、自分の遺志を周囲の人たちに伝えることもできますし、80歳を超えて「なんで私が!?」という気持ちにもたぶんならないでしょう(笑)。
まとめ
がんと診断されて誰しも動揺するはず。ショックだし、すでに転移がある進行がんは、本人も家族も動揺します。
でも、最期の瞬間を迎えるまで、自分のこころに寄り添い、本当に何がしたいのか、何をやり残しているのか、人生をじっくりと逡巡する時間を与えられるのです。
突然死はそれほど苦しみもせず、闘病の時間もお金もかかりませんが、人生を振り返るという時間は持てないかも。
でも一番いいのは、病気にならずになるべく健康なからだを維持して生きること、ですね。