高齢者の食事の工夫

食欲がないときの食事の工夫

年齢とともに運動量は減り、体力も消耗しなくなり食もだんだん細くなります。食事をきちんととらないと必要な摂取エネルギーが足りなくなり体重減少の原因になりますし、ビタミン、ミネラル、たんぱく質など、健康を維持する栄養素が不足してしまいます。

わたしの家は、母が先に他界し父がひとりで生活しています。普段は宅配弁当をお願いしていますが、週末は一緒にご飯を食べるようにしています。

最初のころ、まったく食欲がなくすぐに「お腹いっぱい、もういらない」と部屋に入ってしまい、かなり心配な状況でした。体重は減り、筋力は落ちて、転倒の頻度があがったり、なにしろ元気がなくなってしまったのです。

そこでわたしが実践し、成功した食事の工夫をご紹介します。高齢者だけでなく、病気で食欲がないときや回復期などにも実践できると思います。
嫌いなものは無理して食べない、食べさせない

こどもなら、成長を考えて「なんでも好き嫌いなく食べなさい」と教育すると思いますが、大人には「無理」は禁物。嫌いなものを無理して食べることで、食事が苦痛なものになり、ますます食が細くなってしまいます。

重要なのはできるだけ栄養分を取る、ということ。嫌いなものを無理して食べさせるのではなく、小さく刻んでわからないように調理するか、好きなものでバランスの良い献立を考えます。

わたしの父の場合、一般的にヘルシーと言われる鶏肉と魚が大の苦手。魚は調理方法によっては食べてくれますが、鶏肉の場合、出汁だけでも繊細に気が付きひとくちも手をつけてくれません。

魚をすり潰してつみれ汁にしたりして工夫しました。

つみれ汁
「残していいよ」と最初に伝える。プレッシャーを与えない

食欲がないとき、健康な人が普通に食べられる食事でも、食べられないことはあります。

「ぜんぶ食べないと悪いな」と気をつかい、無理して食べて具合が悪くなってはいけないし、気持ちの負担になってもいけません。

わたしは必ず、顔色や体調を確認しながら、食事量を最初から減らしたり、「残していいよ」と先に伝えました。そう伝えることで、父も楽しく安心して食事ができたようです。
食器は小皿をたくさんつかう

高齢者の食事の工夫

大皿料理や鍋料理など、大きなお皿にドンと盛るような出し方は、目から入る情報で「食べきれない!」「もうおなかいっぱい!」と感じてしまうようです。

鍋料理は冬は温まりますし、野菜も多く取れていいと思ったのですが、若い頃は家族で囲んで食べた鍋料理、大皿料理も、高齢になると苦手なものになったようです。

わたしの場合、豆皿をたくさん使い、ひじきや切干大根、豆などを盛り付け出すようにしました。お肉やお魚も小さめのお皿に2~3切れほど載せます。

一見ひとつひとつは量が少ないように見えますが、いろんな種類のおかずを目から楽しめますし、本人も少しずつ色々なものを食べている気持ちになるようで、完食できるのが嬉しそうで、また「食べられた」という自信にも繋がっていきました。
野菜中心、味付けに工夫をする

脂っぽいものや消化の悪い食べものは胃に負担をかけます。

回復期にあるとき、ごはんはおかゆにしたり、野菜だけの料理を作りました。参考にしたのは精進料理です。精進料理とは、お寺のお坊さんが修行のひとつとして食べるもの。

動物性たんぱく質を取らないかわりに、味噌やごま、唐辛子などを使ってコッテリとした満足感の得られる味付けのものも献立に加えました。

美味しいとよく食べてくれたものは、ナスやこんにゃくの味噌田楽、豆腐の厚揚げなどです。

胃に負担が少ないけれど、食欲がわき、だんだん食べられる量が増えていきました。
丼物はあまり作らない

前述しましたが、大きな器にたくさんよそったものはプレッシャーになったり、食べきれない、という意識が働くのであまりつくりませんでした。

それに加え、丼物ひとつでは栄養が偏る傾向にあります。

ランチなどではいいかもしれません。でも、バランスを取るために具がたっぷりのけんちん汁などもつけた方がいいと思います。


味付けにめりはりをつける

塩分を控えめにするかわりに、いろんな食感や味付けで満足感を得られるように工夫しました。

味噌、すりごま、練りごま、唐辛子、豆板醤、酢など、一遍通りの味付けではなく、いろいろな味つけで飽きがこないようにしました。

塩分を少なくする場合、辛み、焦げ風味などをつけてあげると気にならずに美味しく食べられます。
フルーツは常備する

バナナやりんご、いちご、ぶどうなど、手軽に食べられる季節の果物をできるだけ常備するようにしました。

フルーツは認知症予防にとても効果的ですし、一回の食事の量があまり取れないとき、手軽に食べられる果物を用意しておくことで、おやつかわりに栄養補給が可能になります。
まとめ

いかがでしたか?わたしの父の実際のケースをご紹介しました。

今ではなんと、とんかつやカレーもペロリと平らげるほど食べられるようになりました。

食欲は体調のバロメーターです。元気で健康なときは美味しく食べられるものでも、体調が悪いと苦痛なものになります。適切な食欲があれば健康である、と思ってもよいと思います。

ご参考にしてください

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