かつて、誰もが信じていた「卵はコレステロールが高い」という説。
実際、血中コレステロール値が高い人には、医師からも「卵は避けるように」という説明が行われてきました。
でも今ではむしろ「卵を食べるとコレステロール値が下がる」という間逆の研究結果も出ているほど。
今回は、卵について、ちょっとお話します。
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卵はコレステロールが高い。そう言われてきた背景
卵を食べるとコレステロール値が上がる。
長い間、そう信じられてきた常識ですが、今はそれが様々な研究により覆されています。
むしろ栄養価の高い卵は積極的に食べたい食材のひとつ。良質なたんぱく質を豊富に含んでいるので、成長期にあるこどもや、筋の衰えを防ぐ必要がある高齢者、筋トレや運動時にはたくさんのたんぱく質を消耗するので、それを補うために、とても手軽に食べられる、優秀食材なんです。
卵はコレステロール値が上がる説を説いたロシアやアメリカの学者
今から約40年ほど前、ロシアの学者がウサギに卵を食べさせたところ、血液中のコレステロール値が上昇し、動脈硬化が進行した、という実験結果を発表しました。
その研究から、「卵はコレステロール値を上げる」という説が常識になっていました。
でも、そもそもウサギは草食動物。
食べたこともない卵を食べさせられたら大きな変化が起きて当然です。
実験対象にウサギを選んでいる時点で、その研究自体の正当性が疑わざるを得ません。
またアメリカでも1960年代に、卵はコレステロールが多いとして、健康のためには卵を控えるべきだという考えが広がりました。
これらの研究や風潮の影響を受け、世界中で「たまごはコレステロールが高い」という概念が定着していきました。
食事からとるコレステロールは、ほとんど血中には流れない
卵のコレステロールに関して、様々な研究や実験が重ねられ、最近では「人間ではコレステロールの上昇は見られない」ことが証明されています。
満尾クリニックの満尾正医師によると、逆に「毎日数個のゆでたまごを二週間食べ続けた結果、血中コレステロール値が下がった」という結果も出ているそうです。
人間の血中コレステロールのほとんどは肝臓でつくられます。
食材に含まれるコレステロールが、そのまま血中コレステロールとなる割合は極めて少ないのだそう。
卵の栄養の高さは「超優秀」。コレステロールは気にせずに毎日1個食べよう
卵には、人間に必要な20種類ものアミノ酸が、ほぼ完璧なバランスで含まれています。
数ある食材の中でも、とても優秀で類を見ない栄養価なのです。
また、アンチエイジングに効果の高い抗酸化物質も含まれているので、老化防止、認知症予防にも効果があります。
スクランブルエッグだけは要注意。活性酸素が増えて老化を促進してしまう!
卵の栄養を効率よく食べるためには、半熟ゆで卵や温泉卵です。半熟なので消化器への負担が少ないためです。
半熟卵1個に要する消化時間は1時間半。生卵は生ですが、逆に消化には半熟卵の1.5倍~2倍かかってしまいます。
玉子焼きなど、完全に火を通す調理法になると、2倍以上になります。
スクランブルエッグは加熱によって卵黄が酸化する
溶き卵をスクランブルエッグにして食べるのは、フワフワしてとても美味しいですが、加熱によって卵黄が酸化してしまいます。
ヘルシーエイジング的には、あまりおすすめの食べ方ではありません。活性酸素と同様に、からだへの酸化作用があるためです。
卵は一日1個、と決めて毎日食べることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
つい最近まで「卵はコレステロールが高い」と信じられてきました。今この記事を読んで、卵のコレステロールは問題ないと初めて知った方もいらっしゃるかもしれませんね。
むしろ、卵は良質のたんぱく質とアミノ酸を豊富に含み、健康面でもとても優秀な食材です。
一日一個、毎日食べるようにするといいですよ!