あなたはきちんと眠れていますか? 日中ストレスにさらされて夜もなんだか寝付けない、熟睡感がない、夜中に何度も目が覚めてしまう… 病気とまではいかないけれど、けっこう深刻に悩んでいる人はけっこういらっしゃると思います。
今回は良い睡眠に密接に関係している「セロトニン」に注目してみます。 少しでも眠りの悩みの解決に繋がればいいな、と思います。
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人間に本来備わる「睡眠・覚醒リズム」
通常、人は朝起きて活動し、夜暗くなったら寝ます。太古の昔から人間はこのようにできていて、私たちのDNAに刻み込まれています。 これを「睡眠・覚醒リズム」といいます。
体はこのリズムをもとに、朝日をあびて明るくなると活動的になり、夜は休息モードになります。 ですので、仕事で徹夜したり、夜遊びが続いて寝る時間が少なかったり、夜勤がある仕事やフライトアテンダントなど、不規則な生活はこのリズムを狂わせ、体調に現れてきます。
うつ病の人は「規則正しい生活」をするように指導されるそうです。 朝起きて日中仕事や家事、趣味、運動などに精を出し、適度な疲労感を得て、夜決まった時間に布団に入る。 規則正しい生活にシフトすることで、神経の働きを正常にし、神経から脳に伝わる指令を正しく行うようにする、ということです。
不眠はホルモンの分泌を妨げ、からだの不調や老化を進行させてしまう
睡眠時間が不規則だと、若返りホルモンDHEAの分泌がうまくできなくなります。疲れを取り除き、心身ともにリラックスさせる成長ホルモンなどの分泌も減っていきます。 良い眠りを得ていないために日中はボーッとして眠たくなり、仕事や家事に集中できなくなってしまう… 様々なシチュエーションに影響が出てしまいます。
満尾正医学博士によると、ホルモンの分泌は、夜10時から夜中の2時の間にぐっすり眠っている状況で、最大限に効果が発揮されるそうです。この間に眠っていないと若返りホルモンDHEAや成長ホルモン、筋肉を作ったり精力的に活動する男性ホルモンの分泌が妨げられてしまうということ。 夜10時にぐっすり、というのは、家族の生活スタイルに影響されたり、残業、仕事から帰って料理やお風呂…などとやっていると到底難しい時間です。 ですので10時とはいわないまでも、11時にはぐっすり眠っていられるよう、夜10時台には布団に入ることをおすすめします。
そして、理想的な睡眠時間は6時間から8時間。40代の私たちなら6時間で大丈夫。高齢になると、日中の活動量が減り疲労感が得られないため、もっと短くなり5時間程度でも良くなります。 この時間帯にぐっすり寝られれば、お肌はカサカサ、化粧ノリも悪く目の下のクマにコンシーラーを入念に…ということから開放されますよ!
セロトニンってなあに?
成長ホルモンとDHEAの分泌に重要な「睡眠・覚醒リズム」。 このリズムを作っている物質のひとつが「セロトニン」です。 セロトニンとは、脳内で情報を運ぶ神経伝達物質。太陽の光を浴びたり、運動したりすることで分泌が促されます。 セロトニンが脳内に十分にあるときは、大脳の働きが活発になって私たちは活動的、積極的に動けるようになります。 また興奮やイライラ、不快感、不安感などが抑えられ、心が安定します。 食事のときは、満腹中枢に満腹サインを送って肥満を防止するのもセロトニンの役割でもあります。
セロトニンとメラトニン
日中働いたセロトニンは、暗くなると脳の中心部にあるホルモン分泌器官で誘眠ホルモンであるメラトニンに変換します。 つまり、セロトニンの分泌量が減るということは、誘眠ホルモンのメラトニンも減ってしまう、ということです。 この悪循環でやる気を失ったり、活動が億劫になったり気分が沈んでしまい、憂鬱な気分になっていくのです。
家に引きこもっていると、憂鬱になる
草木や花など植物がそうであるように、私たち人間も「陽の光」に当たることはとても大切です。 日光に浴びずにずっと家にひきこもり、読書やゲームばかりしていると、次第にセロトニンが減り、無意識のうちに憂鬱感や不安感を作り出す原因になってしまいます。 また日光を浴びることで骨も丈夫にすることができます。日中のウォーキングは骨粗鬆症の予防にもなり、とくに女性は骨粗鬆症の羅漢率が高いので40代のうちから「丈夫な骨」を意識する必要があります。 今から備えておけば、50代、60代元気で活動的に生活できるでしょう。

うつとセロトニン
「慢性疾患 本当の原因」の宮澤賢史医学博士によると
人間の脳内には1000億個の神経細胞がありますが、それぞれの神経細胞は別の神経細胞とつながり、ネットワークを形成しています。 その神経細胞同士のつながっている部分をシナプスといいます。シナプスのシナプス小胞には、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどのモノアミンと呼ばれる神経伝達物質が存在し、神経細胞から別の神経細胞に情報を伝えています。 これらが減ってしまう事がうつ病の有力な原因の一つだと考えられています。(モノアミンが減少するのでモノアミン仮説と呼ばれています)
ということです。 抗うつ薬として使われているSNRI「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬」は、不足するセロトニンを補う、または増やすためのものですが、当然副作用もあるようです。 SNRIを服用する患者さんへの注意書きで、以下のような説明があるそうです。
「お薬を飲んでいる間、特に飲み始めや飲む量を変更した時に、不安感が強くなり死にたいと思うなど症状が悪くなることがある」
宮澤医師によると、「セロトニン、ノルアドレナリンの働きが強くなりすぎればそのような症状が出現するのは十分予想がつきます」とのこと。 さらに、抗うつ薬は人それぞれ合う、合わないがあり、飲んでも効果がでない場合も多々あるそうです。
うつになる前に、セロトニンを自然に増やす努力を
薬には副作用がありますし、自然に自分の力でセロトニンを増やすことができるのですから、「いかに良い眠り」を得られるか、ということに気をつけて生活することが大切だと思います。 脳機能は未だ解明しきれていない部分が多々あるそうなので、一度心身のバランスを崩して処方される薬が自分に合わなければ治療も長引いてしまいますよね。 ただ自分が「うつかも…」と心配だったら、この睡眠の仕方だけではなく早めに専門医に相談することをおすすめします。 早期発見、早期治療により寛解までの期間も短くなると言われていますし、自己判断で伝統療法のみに頼るのもよくありません。 なので、「うつ予防」「老化予防」など予防という意味で睡眠がとても重要であるということを知り、今の健康を維持することにつとめましょう。
セロトニンを増やす食品
セロトニンを増やす効果のある食材は、
- 豆製品——大豆、豆腐、納豆など
- 乳製品—–ヨーグルト、チーズなど
- 炭水化物——-玄米、全粒粉パンなどがおすすめ
- 果物類——-バナナ
- 肉類———レバー、ターキーブレスト(七面鳥の胸肉)
- 魚類———サバ、イワシ、サンマなどの青魚、まぐろ
などです。それほど摂るのが難しい食品ではないですよね。どれも比較的手軽に食べられるものばかり。基本的にはたんぱく質に多く含まれる成分です。 炭水化物は白米でもセロトニンを作りだしますが、GI値が高く太りやすいのでGI値の低い玄米の方が栄養価も高くおすすめです。 炭水化物は「白より茶色」と覚えましょう。
とくにパワフルに機能するのは「レバーと青魚」!
肉類にはセロトニンの材料となる必須アミノ酸(トリプトファン)が含まれています。必須アミノ酸は、体内でつくることができません。食事で摂り入れる以外方法がない必須成分です。 レバーや魚類自体にトリプトファンが含まれていますが、さらに優秀なのは「セロトニンをつくる手助けをするビタミンB6」が豊富に含まれている、ということです。
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ベジタリアンやビーガンはビタミンB6が豊富な食品を同時に摂る
ベジタリアンやビーガンの人は、主にレバーや魚以外の上記のたんぱく質からトリプトファンを摂る必要がありますが、同時にビタミンB6が豊富な食品と一緒に食べることをおすすめします。 唐辛子、ニンニク、ごま、アボカド、バジル、パセリなど。 これらのサポートパワーで、トリプトファンの吸収を良くすることができます。
まとめ
いかがでしたか? 夜10時から夜中の2時までに熟睡すると若返りホルモンDHEAや成長ホルモンの分泌が活発になり、疲労回復や老化防止につながります。 徹夜や夜更かしで寝不足が続くと、これらのホルモンが正常に分泌されなくなり体調を壊します。 また心の健康を保つセロトニンもうまく作れなくなり、憂鬱感や不安感が出てきてしまいます。 睡眠は心身の健康や若々しいからだを保つために、とても大切なんですね。