言葉は「言霊」という表現があるくらい、とてつもないパワーを持っています。
使い方ひとつで、人を勇気づけ成長させることもできるし、どん底に突き落とすこともできる、表裏一体の力を持っています。
使い方を誤ると他人を傷つけると同時に、回りまわって自分にも跳ね返ってきます。
これは、スピリチュアルな話でもなんでもなく、脳へのアプローチ、つまり科学的な根拠があるのです。
自分が発する言葉は、あなたの向かう目標のモチベーションになったり、前進を深刻に妨げたり失速させたり、新しい一歩を踏み出すことを妨げたりします。
これからご紹介するものは、あなたが今日から使うことをストップすべき単語やフレーズです。
代わりにどんな言葉を使えばいいのかもご説明します。
上手に言葉を使って、あなたの脳に肯定的な命令を送るのです。
少しずつ思考パターンが変化してくることに他人も自分も気づきはじめるでしょう。
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「私はデブだから、ブスだから」
鏡の前で深い溜息をついて、あなたはこんな風に言って(思って)いませんか?
「ああ、なんで私はこんなに太っているのかしら!」
「なんで私はこんなにブスに生まれてきたのかしら!」
自己嫌悪を感じるのは人間の性(さが)です。ヒトを動物と捉えると、子孫繁栄のためにはオスに対して魅力的に映らないといけないので、本能で「男性目線の」美しさを求めるのは、むしろ自然なこと。
でも、そういうイメージばかり脳に描いていると、どんどん卑屈になり、自信も失っていきます。
自己イメージを作り出すには、否定的な形容詞を使わないことがとても大切なのです。
”Self Talk for Calmer You”の著書でありコーチングを行うビバリー・フラキシントンさん曰く、「肯定的な言葉を意識して自分自身に使うようにしましょう。たとえば、『デブ』の代わりに『私は健康的なからだをしているわ』、『ブス』の代わりに『わたしの上を向いた鼻は、とても個性的で魅力的!』」という風に言い替えます」ということです。
極端に私は美人だ、とか、明らかに体重オーバーなのに「私は痩せている」と言葉にするのは、あなた自身が信じることができず、脳にもうまく伝えることができません。
否定的な表現だけ、ちょっぴり肯定的に言い替えればいいのです。
また、もしあなたが標準的な体重なのに、彼や夫から「もっと痩せろよ」「また太ったね」など言われるなら、ただちに彼らにそういう否定的な言葉を使うことを止めてもらいましょう。
彼らもまた、否定的な言葉が他人に及ぼす力が大きな破壊力を持っていることを知らない状態なのです。
彼や夫に、「脳への肯定的なアプローチをするために、肯定的な表現をする練習をしているの。あなたも一緒にやってみない?」と一緒に巻き込んでしまいましょう!
標準的な体重なのに男性から「太っている」という評価は、「彼らの趣味嗜好でしかない」ということを知りましょう。彼らの評価に振り回されて自信を失くしたり、後ろ向きになる必要はないのです。
あなた自身もまた、自分や他人に否定的で後ろ向きな言葉を使うのをやめ、別の言い替えをする練習をします。
少しずつ相手と自分との関係が変化し、良好な関係が築けるようになります。
「たった~だけ、ただ~だけ」
「今日は3キロしか走ってない」
「ジムに行かずにただ家でDVDを見ながらヨガをしているだけ」
こんな表現は、たぶん無意識に使われていると思います。
もしこういう表現をしているなら、すぐにやめてみましょう。
ニューヨーク大学審理学部のエミリー・バルセティス准教授いわく、「3キロ走っても3ブロックしか走っていなくても、あなた自身の評価を決めるものではありません。」
そういう厳しい言葉を使うよりも、毎日を前進させる貴重な一日に変化させるためには、肯定的な言葉を使った方がいいのです。
課題と目標を掲げて成功している人は、「失敗と挫折」に目を向けるのではなく、肯定的に自分の行動を捉えることができているということ。スキルを伸ばしてより良い習慣を身につける訓練にもなります。
だから、たとえあなたが一日3キロしか走っていないとしても…というより何キロ走ろうとも、「全くなにもしていない」自分よりもずっと頑張っているということに目を向け、忙しいスケジュールを縫って時間を作り、自分の一日をオーガナイズしているのだ、と肯定的に捉えるのです。
そういう肯定的なものの捉え方は自分を自由にし、他人をも開放します。
「やり過ぎた、まだまだ十分じゃない」
自分のやっていることが間違っているのではないか。無駄なことなのではないか。あるいは適切なことではないのではないか、と考えるのは簡単なことです。
“Book of Afformation (肯定)”の著者でありSuccessClinic.comの創設者であるノア・セントジョンさんによると、
「『なぜ私は完璧じゃないの?』と自分自身に問いかけると、あなたの脳はコンピュータやインターネット検索のようにその答えを探し始めます。
なぜ私は完璧じゃないの?と問いかける代わりに、『わたしのパーフェクトな部分はどこかしら?』と訊ねてみてください。
あなたの脳は、肯定的な問いかけにより脳は肯定的な言葉や考えをサーチしはじめます。そうすることで、自信が心の底から沸きはじめ、からだじゅうにパワーがみなぎっていく感覚を体験できるようになります。」
「できない、やりたくない」
「ピザは食べられないわ」
「運動しなくちゃ絶対に痩せられない!」
ダイエットするときにピザも運動しないでダラダラすることはご法度である、ということは誰でも知っていることですよね。
でも、それをあえて言葉にすることはむしろ良い方向に脳が動けません。
なにか自分自身に変化を起こしたい、と思っているなら、ネガティブな表現を肯定的なものに置き換えていく必要があります。
「こうなりたい!」という前向きな行動をしようとするのにネガティブな表現をすることで、脳が混乱してしまうのです。
~できない、~したくない、という言葉(言葉に発しなくても、そう心の中で思うことも、脳への働きかけは同じです)は、脳が「こうなりたい!」という肯定的な方ではなく、「~できない、~したくない」というイメージの方にフォーカスしてしまうのです。
それに往々にしてこれらの「できない」「したくない」という言葉は実際には逆のことが多いのです。
それらの言葉を使う代わりに「できる」「しよう、したい」という言葉を使っていきます。
たとえば、「1週間に一回だけ、ピザを食べるようにしよう!」とか、「満腹感を得るために、健康的な食事を心掛けることができたわ!」とか、「今週は運動をやれたから、きっと痩せられるわ!」という風に。
実際には物理的にそれが難しい場合もあります。
たとえば、怪我や身体障がいがあってジムでリハビリをやるとき、当然脳は保護機能が働いて「できない、やれない」というネガティブな考えを出してきます。
それでも、できないという代わりに、今自分が少しでもできることに焦点を当てることはとても重要なのです。
「失敗した」「どうせ失敗する」
失敗するかも、どうせ失敗しちゃう…
そんな風に表現したり想像することは、確実にあなたを失敗に導いてしまいます。
そういう意味では、あなたが自分自身で発する言葉はモーゼのように大きなパワーを持っているのだ、ということを再認識しましょう。
あなたは将来の成功に導く預言者であり指導者にもなりえるのです。
「なぜ私はうまくできないの?」と自分自身に問いかけるかわりに、「わたしはこんな状況でもうまくやれた」と肯定し、「大丈夫、きっとうまくいく」と勇気を与えてあげましょう。
「失敗した」という代わりに、「私は過去に失敗を犯したけれど、これを教訓に今度は失敗しない。かならず成功できる」と言いましょう。
ただし、自分自身に嘘をついてはいけません。
失望する余地も少し残しておいた方が良い、とロサンゼルスを拠点に活動している精神科医はアドバイスしています。
完璧を求めると同時に、失敗も自分自身に設定してしまうそうです。
たとえ失敗したとしても自分自身を許し、変化するまでには時間がかかることを知り、少しずつでも成長していく自分自身を肯定的に評価するのです。
「運が良かっただけ」
「今日はすごく運がついてる!」
そう思う日は誰にでもあります。それは素晴らしいこと。
でもたとえばSNSで流れてくる友達の日常がとてもキラキラしていて幸運そうに見えたときに、「あの人はラッキーなのよ」という風に思うのは逆効果です。
幸運は勝手に向こうからやってくるものではなく、必ずその背景に努力がある、ということを知りましょう。
誰かを羨んだり妬んだりすることは、自分自身の前進を妨げます。他人を嫉妬している暇があるなら、その時間を自分自身に使った方がずっとポジティブだしハッピーだと思いませんか?
自分自身が辛い状況にあるとき、人はどうしても他人を羨ましく思ったりしてしまうもの。それが人間です。
でも、そんな風に思うのは、自分自身を小さな箱に閉じ込めるだけです。その小さな箱にいれば気分が落ち着いて楽になれるかもしれません。でも、その箱の中にいる限り、新しい世界を見ることはできないのです。
自分自身もそうであるように、誰にでも人生には山や谷あり。毎日完璧でハッピーな人なんて存在しません。そうみえる人でも心の奥では悲しみや辛さを抱えていることもあるのです。
でも、そういう気持ちを跳ねのけて、毎日をハッピーに生きよう、という努力をしているのです。
幸せな人を羨むのではなく、自分が羨まれるような人になりましょう。
他人の幸せは、心から祝福してあげましょう。
そうすることで、どんどん自分自身を開放していくことができるようになります。
「明日やる」
「明日やればいいや」と言っている限り、永遠にその「明日」はやってきません。
「今日は食べすぎちゃったけど、明日からダイエットすればいいわ」と思うのは、ずっと目標を先延ばしにして、永遠にスタート地点にさえ立てないのです。
そう言ったり思う代わりに、確実で現実的な表現をするようにします。
「もし明日もやらなかったら、いったいいつから始めるんでしょう?」と、コーチングのノア・セントジョンさんは言います。
いつから始める、ということはもちろん、モチベーションを保つために動機付けが必要なのです。
「どうやろう」ではなく「なぜやるのか」と考えるようにします。
たとえば、ダイエットでいうなら「減量が高血圧を改善させるし、糖尿病の予防にもなる。」「喫煙をやめることで子供たちの良いお手本になる」「来年の夏にはかっこよくビキニが着こなせるようになりたいわ!」などという風に、努力の先にある具体的な目標を思い描くことで行動に移すことができるようになります。
「ああ、なんて私は馬鹿なのかしら」
失敗したとき、大失態をおかしてしまったとき、ネガティブな声が口をついて出てしまうことがありますよね。
キャリア・コーチのビバリーフラキンシントンさん曰く、「脳は思う方向に発射するミサイルのようなもの」と表現しています。
あなたの思考や考え方が常にネガティブなら、失敗はあなた自身が作り出している創造物とも言えます。
人間の脳は、自分が思うものについてだけ自己主張して大声で話したいと思っています。否定的なものの考え方を完全に排除してしまいましょう。
ああ、私はなんて馬鹿なんだ、という言葉はとても破壊的なパワーを孕んでいます。
ビバリーさんは「否定的な側面ばかりに目をやっている、と自分が気が付いたら、すぐに自分自身の強みや能力に集中するよう、意図的に自分の考え方をシフトしてください。」と言います。
たとえば禁煙したいのになかなかやめられない場合、「ああ、やっぱり私はまだ禁煙できない。なんて愚かなのかしら。」と言う代わりに、「私は自分自身でタバコをやめる、という決定権を持っていて、それを実行に移す強さがある」という風に言い代えるのです。
「~べき」
ライフコーチで作家のベリンダ・アンダーソンさんいわく、「走らなくてはいけない」と自分自身に言うことは、もしそれが実現できなかったときに罪悪感を感じるようになります」。
「その代わりに『走りたい』とか、『今日は走らない、と自分で選択した』と言う風に言います。後者の表現の場合はより効果的で、意志決定権限を自分自身に取り戻すことができます。
一方、『すべき』という言葉は退屈でつまらなくなるような気分になります。
『選択』『意志』『欲求』『可能性』を秘めた言葉をうまく使うことにより、義務ではなく自発的にやりたいことに脳がシフトします。
タバコをやめるべき⇒タバコをやめよう
ジムに行って体を動かすべき⇒運動して体を動かしたい
早く寝なくちゃいけない⇒早く寝れば明日早起きして気持ちい朝を迎えられる!
こういう風にちょっとだけ表現を変えるだけで「義務的でマイナス思考」な考え方から「自発的でポジティブ思考」にシフトして脳を自分の最高の指導者にしてしまうのです。
絶対に無理
「絶対に無理」「絶対にできない」
こういう表現は進歩を妨げる有害な言葉でしかありません。
たとえばダイエットをして体重を減らそうと頑張っているとき、『でも絶対に痩せられるはずない』と思っているとしたら、その思考が脳の中を駆け巡ります。
もうそう思った時点でダイエットは成功しない、と考えていいでしょう。なぜなら、自分自身で脳に「ダイエットは不可能」というメッセージを送り、脳がそのメッセージをキャッチしてその通りに働きだすからです。
ダイエットを成功させるためには、忍耐が必要です。
順調に体重が減らないからといって、それを嘆いたり、わたしにはやっぱり無理だわ、なんて考えてはいけないのです。
クリニカル心理学者のケイト・カミンズさん曰く、「自分自身のネガティブ思考に焦点を当てるのではなく、自分自身に向かって肯定的な言葉を投げかけるのを忘れないでください。
鏡に映る自分自身に『ハロー!健康的でスレンダーで素敵ね!』とか、『うまくいってるね!このまま頑張って!』という風に、肯定的な言葉をかけるのです。
脳は素直にその肯定的な言葉を解釈し、働いてくれます。
忙しい
忙しすぎてジムに行く時間もない。
忙しくてこどもと十分に遊ぶ時間がない。
「忙しすぎて~できない。なぜなら…」という表現は、常に「できない」理由を正当化しているだけ、とコーチングのノア・セントジョンさんは言います。
「自分に言い訳をしているだけなんです」と彼は言います。
あなたはいつまでその言い訳を聞き続けるのですか?
あなたが言い訳をするたび、自分自身に正しい質問を問いかけ直してください。
「なぜ私は忙しいのでしょう?」
「優先すべきことが目の前にあるのに、ちょっとした時間も作れないくらい忙しいですか?」と。
そうすると脳は頭の中を逡巡し答えをはじきだします。
「わたしは自分でタスク管理がきちんとできる」
「スケジュールから不必要なものを削除し、もっと優先すべき大切なことに置き換えよう」
そんな風に「忙しくて~できない」と思ったときは、自分自身に問いかける訓練をしてみましょう。肯定的に物事を捉えたり考えたりすることで、肯定的な答えを導き出すために必要なことを、脳が考え、答えを出してくれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
否定的でネガティブな言葉や思考を肯定的でポジティブな表現に変えることで、脳へポジティブな指令を与え、それをキャッチした脳はそれに応えるようにポジティブな答えを出してきます。
ネガティブ思考な人で、もし自分に自信がないと感じていたり、もっと前向きに行動したい、人生に変化をつけたい、と思っているとしたら、ぜひ今回ご紹介した「11の今すぐやめるべきNGワード」を肯定的にシフトさせるようにしてみてください。
自分自身ではっきりした変化がわからなくても、1年後には周りから「なんだか変わったね」と言われるようになるでしょう。
あなたが今何歳であろうとも、過去にどんな辛い境遇にあったであろうと、いつでも変わるチャンスが与えられています。それを選択するかしないかは自分自身なのです。
慣れ親しんだネガティブ思考をポジティブシンキングにシフトするのは、最初は難しいかもしれません。なぜなら人間は変化を恐れる生き物だからです。居心地のいい場所にずっといたい、と思ってしまうのです。
NGワードを使わず、ポジティブワードを意識的に使う、ということは、脳をうまく騙すことでもあります。うまく騙していくうちに、やがてそれは真実になり、いつの間にか前向きな自分自身に出会う日がきっと来るはずです。