巷では「朝はしっかり食べましょう」という言葉が、スローガンのように定着しているような気がします。
小さい頃から「頭のいい子は朝ごはんをしっかり食べている」ということを教えられてきました。
こどもは、朝しっかり食べて糖質を脳に送り込み、勉強に集中するために朝食は必要ですし、日中体育の時間や休み時間に駆け回るこどもたちは、朝に食べたものも消化しやすい環境にあるといえます。
また、肉体労働で体力を使う人、アスリートやスポーツを生業にしている人、朝早く起きてウォーキングやジョギングをしている人は朝しっかり食べても問題ありません。お昼までに消化する環境にあるからです。
40代(またはそれ以降)の私たちはどうでしょうか。
朝起きてすぐに支度をして出社し、仕事はデスクワークが中心、またはこどもたちを送り出した後、お昼まではゆっくりのんびりしている、という生活スタイルであれば、朝食をしっかりとるのはむしろ体の負担になるのです。
ここでは「日内変動」という体内リズムを知って、一般常識にとらわれず、世代にあった食べ方をしてみましょう。
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日内変動ってなあに?
日内変動とは、人間が本来からだに備えている体内リズムのこと。
脳にある「体内時計」によってコントロールされた、体温・心拍数・血圧等の値や、覚醒-睡眠のリズムが、1 日の中で変動することをいいます。たとえば体温は、生理的に朝方が最低となり、夕方が最高となります。
出典:コトバンク
このリズムにより。からだはお昼向けて活発になっていくようにできています。
この日内変動を基準に考えると、一日を3つの時間帯に分けることができます。
① 午前4時から12時(正午)まで―――「排泄」の時間
② 正午から午後8時まで―――「消化」の時間
③ 午後8時から翌午前4時まで―――「吸収」の時間
不規則な生活はからだに悪い、といいますが、それはこの「日動変動」を無視しているからからだを壊したり、不調になったりするんですね。
人間の脳に埋め込められた体内コントロールマシンのようなものです。
取扱説明書に従わないと壊れますよ、ということですね。
また、この日内変動を意識して生活すると人間が本来持ち得ている「自然治癒力」の効果を高めることにもつながります。
自然治癒力とは、たとえば怪我をして血が出ても、かさぶたが出来て自然に治っていった、ちょっと風邪気味だな、と思ったときに睡眠をしっかりとって一晩寝ると、症状が軽くなった、という、誰もが経験したことのある「からだが自分を治す」力のことです。
憂鬱な気分が続くという人は、規則正しい生活を心がけてみてください。不規則な生活が心身に与える影響によるものなら、改善できるかもしれません。
日内変動をもとに、どんな食べ方をすればいいの?
朝4時からお昼までは「排泄」の時間、お昼から夜8時までは「消化」の時間、夜8時から翌朝までは「吸収の時間」。
これを念頭におき考えると、「朝食は軽め」「昼食はしっかり」「夕食も軽め」というのが適切な食事配分。
午前4時からお昼までの食事
野菜サラダやフルーツにヨーグルトだけで十分です。もちろん、果物と温かいお茶でもOK。お粥や漬物でもいいですね。
朝食は軽めにし、できるだけ胃に負担をかけない(消化に悪いものを食べない)ことが大切です。
朝食に野菜ジュースを飲む方もいますが、咀嚼できる方がビタミンや酵素の体への吸収がたかまります。
野菜と野菜ジュースの違いは「食物繊維の量」。
野菜ジュースにすると約4割の食物繊維が失われると言われています。
また、飲み物の場合、飲んで胃に入ってから腸へ吸収されるまでのスピードが速いので、栄養として十分吸収されることができません。ビタミン・ミネラルの量が同じでも、実際に野菜を食べるよりジュースで飲むと、実際に体に取り込まれる量がぐっと減ってしまうのです。
野菜ジュースで飲むのがいいのは、「デトックスしたいとき」。
便秘が続くときに胃腸を休め、体に溜まっていた老廃物を排出するためには野菜ジュースやスムージーはおすすめです。
デトックスジュースの作り方も別記事で載せていますので、良かったら参考にしてみてくださいね。
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お昼から夜8時までの食事
正午から午後8時までは、からだがもっとも活発に動く時間帯です。
血糖値を上げ、エネルギーが補給されるように、お昼はしっかり食べて大丈夫です。
会社員で外食が多い場合、魚をメインにして和定食がおすすめです。色々な小皿がついている定食を選べばバランスもいいですね。
ダイエットをしている場合でも、朝はぐっとカロリーを抑えることで便秘の解消もでき、ダイエット中に我慢しているものも、お昼ちょっとならOK、という風にすることで、ストレスなく一日を過ごせます。
ダイエット中は、揚げ物は控えた方がいいですが、から揚げなら1個、という風に自分でルールを決めれば、食べたくても食べられないイライラが軽減されます。
午後8時から翌朝4時まで
午後8時からは「吸収」の時間。夜食べたものが吸収されます。夜は軽めにする方がいい、ということですね。
ただし、「軽め」といっても糖質の高い炭水化物や、砂糖がたくさん使われたお菓子やケーキなどは極力控えた方がいいです。
夜食べたものは吸収される、と考えると、夜食べた糖質の高いものは余分なエネルギーとして蓄えられて太ってしまいます。果物も糖質が多いので、朝食べた方が良いです。
睡眠中は細胞の傷を修復して若返りを進める成長ホルモンが分泌される時間帯。
この時間に血糖値が上昇すると、成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうそうです。
可能ならば、夕飯を夜8時までに食べてしまい、食後に口に入れるものは水やお茶のみ、というスタイルにすると一番理想的です。
夜食べるべきもの、食べない方がいいもの
先にも書きましたが、夜は「吸収」の時間帯なので糖質は控える。
ですので糖質の多いお米、パスタなどは極力控えた方が良いです。夜は炭水化物は食べず、お昼だけにする、というスタイルでもいいですね。
甘いお菓子やケーキ、シャーベットなども、夕食後のデザートに食べるのは良くありません。
では夜食べた方が良いものはなにかというと、それは「たんぱく質の多い食品」です。
たんぱく質は筋肉を作る成分です。たんぱく質を効果的に摂取するには、筋肉がつくられる時間帯に合わせて食べるのがいいと言われています。
筋肉が作られる時間帯とは、運動後の3時間と就寝中。夕飯にたんぱく質を摂ることは、理にかなっているのです。
肉、魚、卵料理をメインに、野菜サラダや煮物、お浸しなどの野菜料理を付け合せにするといいでしょう。納豆や豆腐などの豆製品も植物性たんぱく質が豊富です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
人間のからだは良くできていて、本来の自然治癒力を発揮できるようにするには体内時計である「日内変動」に沿って生活することがおすすめです。
朝は野菜や果物のジュース、昼はしっかり食べ、夜は炭水化物や糖質の高いものを控える、という食生活にすると便秘も解消され、胃腸に負担をかけずに毎日デトックスしているような理想的な食生活となります。