朝食をしっかりバランス良く食べたほうがいい。
朝食をしっかり食べると太る。
これは・・・どちらも真実です。
ただし、巷に溢れたこういった情報は、常に変化して10年後はまったく違うことをいう医師が出てくる。そういう曖昧な面をはらんでいる、と個人的には感じています。
食生活指導士として、ひとつ名言したいことがありますのでご参考にしてください。
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一日2食が週間だった昔の日本人は生活習慣病が少なかった、と言われる所以
糖尿病、心臓病、高血圧、メタボリックシンドローム、骨粗しょう症。
これらは現代に生きるわたしたちの生活習慣でなる確率の高い病気です。
もともと日本人は、一日2食で生活していました。行燈が普及していなかった江戸時代初期まで、人々は日暮れと共に寝てしまうために夕食は食べず、朝食と、ちょっと遅い昼食を食べ、あたりが暗くなると必然的になにもできなくなるため早くに就寝していた、ということ。
行燈が流通しはじめた江戸時代元禄期、1688年~1704年以降、灯とともに人々の起きている時間が長くなり、一日3食に以降していったようです。
昔の日本人は肉を食べなかったから健康だったとか、昔の人は生活習慣病とは無縁だったから1日2食の粗食でいいとか、そういう専門家もいますし、実践している人もよく見聞きします。
日本人が積極的に肉を食べ始めたのは文明開化により西洋文化が日本にワっと流入してきてからです。
縄文時代にもイノシシやシカも食べていたそうですが、仏教が普及し始めたあたりから「生きるものを殺しては食べる」ことを悪としたため、肉食文化が衰退します。
ですので、肉食文化はかなり昔にあったけれど、日本人のDNAには肉食ががっつり入っているわけではないので、欧米人のような食生活にしたら消化器が対応しきれないとか、今まで起きなかった病気が出てくるとか、そんな風に言われだしたんですね。
生活習慣病は、長寿とペア。
一日2食の時代の明治時代の寿命はなんと44歳。昭和の戦時中はなんと31歳。戦後の昭和初期は50代。
医学の進歩はもちろんですが、日本人の食生活も密接に結びついています。
戦後、学校給食が始まり牛乳を飲むことにより、子供たちの健康が促進された、とも言われています。
昔はなかった病気が、現代ではたくさん出てきている、と危惧する人もいます。癌はその筆頭ですね。
でも、そもそも寿命が44歳なのですから、病気にかかる前に死んでしまっているのです。
そりゃあ、80年も100年も毎日休みなく心臓は動き、内臓も働いていれば、調子が悪くなるのは当然のこと。しかも時計のような金属でも数年ごとにオーバーホールが必要なのに、生身の細胞が80年も100年も働き続けるというのは、本当にすごいこと。病気にかかるのは、長生きしているから、ともいえます。
現代の日本人は長寿というご褒美をもらったかわりに、自分でオーバーホールしないと元気には動きませんよ、ということです。そしてそのオーバーホールは何かというと、「毎日の食事」なのです。
朝食を軽くした方が痩せられる
一日あたりの適正摂取カロリーがオーバーすれば、太ります。
適正摂取カロリーというのは、年代でも性別でも違います。基礎代謝が高い10代は、ご飯を何倍食べても太らない。部活で運動をガッツリやっていたり、息を吐いて寝ているだけでも消費される基礎代謝量は、年を取るごとに低くなるので、食べたものがそのまま体重に、ということになるのです。
「朝食を食べなさいって言うけれど、朝食を抜いたり軽めにしたほうが、身体が軽いし調子がいいんですよ」とおっしゃった方がいました。
実際に、アメリカの学者で朝はフルーツやナッツだけがいい、と提唱している人もいます。
その理由は、午前中は一日の中で「消化」の時間で、その時間帯に胃腸に食べ物が入ることで内臓が休むことができず、健康を害する、という論理です。常に体重をキープしていなくてはいけない鳥類は、頻繁に排泄しできるだけ身体が重たくならないようにしています。鳥類が食べているものはナッツや果物。つまり、消化や排泄が促され、消化の時間とされている午前中に果物やナッツで空腹や栄養を補うのは理にかなっている、ということです。
この理論は、わたしも納得できますし、実際にレコーディングダイエットをしていた時期、朝食をしっかり食べると一日の摂取カロリーが軽くオーバーしてしまう傾向にありました。朝食に果物を食べることで、果糖が脳を働かせてくれますし、とてもいい。
朝を果物と牛乳とか、コーヒーだけにすると、便秘も解消されましたし、多少午前中空腹感を覚えても、お昼まではなんとか我慢できる。朝食をコントロールすることが、ダイエットの肝かも、と思うこともあります。
ただし、一日の摂取カロリーというか、摂取すべき栄養素を考えるとき、朝食を果物だけ、という風にしてしまうと、ランチや夕食で「朝少ないから、しっかり食べても大丈夫」という気持ちもおきます。
実際、朝食で摂取カロリーを抑えると、夕食をしっかり食べられるし、ダイエット特有の空腹感に悩まされることもありませんでした。
朝食はしっかりたべないとだめという医師が言い忘れていること
テレビに出る医師や専門家が、「朝食はしっかりたべないとダメ」ということは頻繁におっしゃいます。美容面からのアプローチではなく、病気にならないためにさまざまな情報を持っているプロが言うんですから、正しいはず。
でも、いつもテレビを観ていて「大事なことを言い忘れてるなぁ」と思います。
それは、「朝食をしっかり食べ、夕食はかなり控えめにしましょう」ということ。
夕食を控えめに、という医師ももちろんいますが、それよりも朝食の重要性のみを説く医師や専門家が多い。
夕食を控えめにする理由は、ご存知の方も多いと思いますが、夜はもう寝るだけで活動量がグっと減るからです。活動しないのに夕食ガッツリ食べてしまうと、消化しきれずに胃や腸に留まったり、本来休ませるべき内臓が寝ている間もずっと働かなくてはいけなくなる、ということです。
でも、たとえば旦那さんが毎日晩酌を楽しみにしていて、お酒に合うおツマミから食べ始め、しっかりご飯やおかずも食べたい、一日の夕食だけは美味しいものをしっかり食べたい、という場合、旦那さんだけに料理をしっかりつくるのは面倒に感じてしまうでしょうし、かといって健康のためと説いて夕食を減らしてしまうと、一日の疲れやストレスを美味しい夕食を食べることでリフレッシュしている人は尚更、不満が出てしまうでしょう。
健康のためには、昼食>朝食>夕食 の配分がベストなんですけれど・・・
ダイエットによる美容面だけではなく、健康も同時に考えなくてはいけないのが40代以降
痩せるだけが目的なら、野菜を中心に低カロリー高タンパク質の食事に心がけ、糖質の多い炭水化物を少なめにする。これだけでも効果がでます。
キャベツダイエットとか、トマトスープダイエットとか、短期的に効果がグっと出るダイエットは、一時的には痩せますが必ずリバウンドしますし、何しろ必要な栄養素が不足するのです。
栄養が不足すると、40代以降はスタミナが落ちます。運動するのが億劫になったり、気が滅入ったり、抵抗力が落ちたり。そうすると、筋量が途端に落ち、60代ではもう「しょっちゅう転倒する」とか、「骨粗鬆症と診断された」ということがかなり現実的に起こります。
寝たきりで90歳まで生きたくない
食生活で体調管理、というのは誰でもできることです。
食事なんていうのは、今のように物資に恵まれていない原始時代から我々の祖先が生きるためにやってきたことです。
味の濃い食事、ソースや調味料をどっぷりかける、飲んだあとにはシメのラーメンが必須・・・
そういう食生活に慣れてしまうと、軌道修正がなかなかできなくなります。なぜなら、脳がその味を「美味しい」と覚えてしまい、薄い味付けを不味く感じたり、物足りなく感じてしまうから。禁煙がなかなか難しいのと同じことです。
食生活や毎日の簡単な運動だけで、将来認知症や寝たきりのリスクを抑えられます。なにもしなければ、人の手を借りなければ生きていけない。そういう人生を送るリスクが高くなります。
いくら気をつけていても病気になるときはなるし、こればかりは完全にコントロールすることはできませんが、「いつまでも自分の足で歩こう」とか「なるべく人のお世話にならずに生きたい」という気持ちを持っているだけで、最初から子供や介護士をアテにしている人よりもリスクは抑えられますし、また自立したい、しようと思っている人をサポートする側の心理的負担はかなり低くなるはずです。
誰でもそうだと思いますが、友人や家族と楽しく会話ができ、トイレや料理も自分でできる。そういう状態なら長生きしても悪くないな、とは思いますが、天井を一日中見ているだけの寝たきり生活を何十年も続けなくてはいけなかったり、若い人の自由や人生を奪ってまで長生きはしたくないなぁ、と思ってしまいます。
摂った栄養は身体に現れる。自分を客観視する目を持ちましょう
海の近くに暮らすのはとても気持ちがいいけれど、車や自転車、機械類が塩風ですぐに錆びてしまう。家の中は湿気が多く、カビが繁殖しやすい。
人間のからだもそれに似ています。
美味しいから、と毎日味の濃い食事を続けて、塩分過多。毎日甘いスイーツを食後に食べないと満足感が得られない。
そういう食生活を送っていると、人間の身体もサビ付いていきます。
身体のサビは、「糖化」や「老化」として現れます。
サビないようにこまめに毎日手入れしていると、サビは最小限に抑えられますが、気にせずに放置していると気がついたときにはかなりの薬剤を使わないと取れない・・・もしくは「修理不可能」ということになります。
健康を維持するには、いかに身体に良いものを入れるか。身体の細胞ひとつひとつに、新鮮で効果の高い栄養素を行き渡らせる。綺麗な水をたっぷり飲み、身体に溜まった毒素を排出し、サビつかないようにする。
また、十分に足りているのに必要以上の栄養を摂るのも、サビつきの原因に。
腹八分目、と言いますが、ゆっくり食べていると「あ、もうお腹いっぱい」という瞬間がきます。
でもたいてい、ズルズルと最後まで食べてしまいます。
「あ、もしかしたらお腹いっぱいかも」と思える瞬間が来た時に、たとえお皿におかずが余っていても箸を置いてみる。お茶など水分をゆっくり飲んで、「まだ食べられるけど、でももういいかも」と感じる瞬間をキャッチできるように訓練すれば、食べ過ぎを始め、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防が可能になると思います。
たんぱく質は意識して摂らないと不足する
たんぱく質は、身体を動かす筋肉を作るのに、必要不可欠な栄養素です。高齢になると転倒が多くなるのは、筋力低下のため歩行時に太ももが上がりづらくなるために起こります。転倒時に骨折したり、そのまま寝たきりになる、というのは、運動神経や筋の動きがうまくいかず、転倒時に咄嗟に身体を支えられないことから起こるのと、年齢により骨密度が減り骨折しやすくなる要因が重なるからです。
40代以降の女性は、1日に必要なたんぱく質摂取量は50g。(男性は60g)。
ご飯、肉、魚、納豆、牛乳すべて、一日に食べていればクリアできます。
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まとめ
朝食はしっかり食べたほうがいい、という医師が多いですが、実際には「朝食をしっかり食べると太る」という人、「朝食は軽めでもまったく問題ない」という人など、色々です。
朝食をしっかり食べる、というのは、一日に必要な栄養素をクリアするためには昼・夜だけではカバーしづらい、ということと、朝食を抜いたことで夕食を多めに食べると、胃腸に負担をかけ、睡眠で運動量がほとんどなくなるために太りやすくなるためです。
「朝食をきちんと」と同時に「夕食は控えめに」とセットで覚えましょう。